「ラッシュライフ 伊坂幸太郎」
はじめに
伊坂幸太郎の小説を読むのは初めてでした。
どんな作風なのかも全く知らずに読むラッシュライフはこんな小説もあるんだという事実を僕に教えてくれました。
『ラッシュライフ』(a life)は伊坂幸太郎による日本の小説で、2002年7月30日に新潮ミステリー倶楽部、2005年5月1日に新潮文庫で発行された。伊坂幸太郎が注目されるきっかけとなる作品である。
(引用:ウィキペディア)
後から調べて知った事ですが、この作品を契機に注目を浴びるようになったようです。
初めて伊坂幸太郎の小説を読む僕にはピッタリの一冊だったのかもしれません。
感想
最初は全く関係の無さそうな四人の物語から始まっていきますが、次第にそうでも無くなってくる感じが今までに読んだことのない感じがしました。
四人はそれぞれ大まかに泥棒・信者・不倫しているカウンセラー・リストラされたおじさん。
これらの登場人物が次第に絡み合っていく様は読んでみない事には伝わらないと思います。
中でも僕が感情移入した登場人物はリストラされたおじさんです。
リストラって想像するだけで嫌なものだと理解できるのですが、小説の中でのおじさんの感情が妙に伝わってきてリストラされたらこんな感情になるのかな?と教えて貰いました。
また、おじさん以外の登場人物の感情もリアリティがあり、強く訴えてくるものがあります。
僕が惹かれた文章を紹介したいと思います。
会話の中で出てくるのですが、
「その延々と続く退屈を、人はどうやって納得しているか知っているか?『人生ってのはそういうものだ』とな、みんなそう自分に言い聞かせているんだよ。それで奇妙にも納得しているんだ。変なものだ。人生の何が分かって、そんなことを断定できるのか俺には不可解だよ」
(引用:ラッシュライフ本文)
この文章って作者の意見が表れているんじゃないかと思います。
作者自身が世間で言われている人生についての考えに対して懐疑的に考えているんじゃないかと。
そして単純に面白いな~と感じました。
人生ってそんなもんなんかじゃねぇとでも言いたそうな感じがしてきて、元気をもらいました!!
何気ない登場人物の会話にもこのような強い力を持った文章がちりばめられていて、読んでいて妙に納得しながら読む場面が多くありました(*^^*)
最後に
ラッシュライフを読んでみて伊坂幸太郎の他の作品を読んでみたいと思える一冊でした。
不可思議な展開が好きな方にはおすすめの一冊です。
また、分かりづらい表現なども無く読みやすかったです。
有名な作品ではありますが、まだ読んだことのない方はぜひ読んでみて下さい。
おすすめです!!!
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 文庫
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